アルミニウムの大きな特長にデザイン性に優れていることが挙げられる。その特性から化粧品容器・ネームプレート・車の内装部材・建材など各種の用途に広く用いられている。アルミニウムの質感を樹脂や他の安価素材で代替した車種もあるが、高級車にふさわしいデザイン表現には、意匠用光輝アルミ合金が必要不可欠だ。見た目の光沢は安価な材料でも奇麗に見えた。だが、化学研磨+アルマイト処理後の美しさは歴然と違っていた。さらに意匠用光輝アルミ合金はエッチングで文字を浮き出すことで立体感が生まれ、その高級感の差はさらに広がった。 アルミ合金板は、鋳造から熱間圧延工程、冷間圧延工程、仕上工程を経て製造されている。装飾用光輝アルミ合金の表面品質を決める要素は、意外にも仕上工程ではなく、鋳塊と呼ばれるアルミ合金の母材を作る段階まで遡っていた。光輝性が得られる化学成分・表面処理性に優れた金属組織の鋳塊を製造し、熱間圧延での綿密なプロセス制御を行なうことにより、国内で唯一、アルマイト性を確保した光輝合金ができあがる。世界に誇るUACJの意匠用光輝アルミ合金を永年にわたり育てて来た第二製品技術室の田原氏との会話は尽きることがなかった。
LUMINOUS ALUMINUM ALLOYS
ざっくりした表面加工や表面処理で美しさの違いがわかる。田原 省造
掲載内容、所属先、役職は、Motor Fan Illustrated 発行当時の情報です。
ALUMINUM EXTRUDED SHAPES
ALUMINUM ALLOY JOINING TECHNOLOGIES