point of view
ALUMINUM FOR LITHIUM-ION BATTERIES
FOR FUTURE AUTOMOBILE 車載用電池材料の総合的な開発
スマートフォン、ノートPCから、EV、HEV、PHEV へ
次世代自動車の普及に伴い、急拡大する車載用LIB材料
ALUMINUM FOR LITHIUM-ION BATTERIES

エネルギー価格の高騰やCO2排出量増加を背景として自動車に対する環境意識が高まるなか、ハイブリッドカーや電気自動車など次世代自動車の需要が世界的に伸び続けている。自動車市場全体における次世代自動車の比率は2030年には10%を超え、市場規模が現在の7倍近くになるとの予想がある。米国では2018年からカリフォルニア州の ZEV(Zero Emission Vehicle)規制が一段と強化された。ZEV 規制は自動車メーカーに対して販売台数の一定数を PHEV・EV などの排ガスゼロ車にすることを求めたもので、現在その比率は2018年以降販売台数の16%へと引き上げられた。

電動自動車の普及は、二次電池材料の開発に影響を与えている。電池容量は1回の充電当たりの航続距離に直結するため、重量当たりのエネルギー密度を高めることが電池材料に求められる重要なテーマだ。このため、高性能なアルミ合金の集電体電極箔材料の開発が進行している。電池ケースは高強度アルミ合金を小型・軽量化に適した角型形状に成形するため、材料開発にはプレス成形加工のノウハウが生かされていた。電池セル用バスバーは、銅製からアルミ製へと材料置換が進んでいるが、クリアすべき課題もあると言う。

車載用の二次電池向けにUACJでは、母材開発・表面処理・接合技術・加工技術の開発など総合的なアルミ材料の開発が進行していた。

interview
電池ケース材開発では、UACJの豊富な金属学的知見、プレス成形加工や溶接などのノウハウを投入して開発を進めています。電池セル用バスバーでは、アルミバスバーの加工性向上や接触抵抗低位安定化などの技術課題克服に向け努力しています。

Aluminum foil for
current collectors

LIBの正極集電体の材料としてはアルミニウム箔が唯一無二であり、現在他に代わる材料は存在しない。
PROFILE PROFILE

布川 啓太

株式会社UACJ
技術開発研究所
第六研究部

掲載内容、所属先、役職は、Motor Fan Illustrated 発行当時の情報です。